手動圧着工具と自動圧着工具の比較:長所と短所

Bill_Gust

圧着工具(クリンパ)は、主に手動式と自動式の2種類に分かれます。それぞれにメリットとデメリットがありますが、どれがベストかを決めるには、圧着用途のニーズと工具の特性を照らし合わせるのがベターといえます。

手動圧着工具と自動圧着工具のどちらを選ぶかは、コストと生産量によります。一般に、手動圧着工具の方が安価ですが(必ずしもそうとは限りません)、圧着回数が少ない場合に適しています。自動タイプは価格が高くなりますが、大量の圧着が必要な場合には唯一の解決策となります。また、特殊な用途の圧着、たとえば手で圧着することが現実的でない場合、自動タイプが必要になることもあります。

圧着工具の価格帯を簡単に知るには、まず「クリンパ、アプリケータ、プレス」のカテゴリからご覧ください。
[ここをクリック https://www.digikey.jp/ja/products/filter/crimpers-applicators-presses/228
(製品索引 > ツール > クリンパ、アプリケータ、プレス)。
このリストには多くの圧着工具が表示されていますので、比較を簡単にするために、「同時使用/関連製品フィルタ」から「長方形端子」を選択し、「フィルタの適用」をクリックします。最後に、結果表の「価格」欄の上下矢印で、価格を昇順にして確認します。

この投稿の時点では、最安値の結果は品番W-HT-1921で18.52米ドルでした。これは、ワイヤカッターとストリッパ機能を備えた手動圧着工具です。
[ここをクリック https://www.digikey.jp/ja/products/detail/gc-electronics/W-HT-1921/26396]。
ベンチプレスの最高値は10,000米ドル以上でした。

多くのお客様にとって、コンタクトの圧着は、修理のための1個のコネクタや、小さなプロジェクトのためのごく少数のコネクタに限られるかもしれません。このレベルでは、20ドルの工具でさえ、二度と使わないかもしれないので、購入価格に見合わないかもしれません。修理の場合は、デバイスの価値を考慮してください。そのデバイスは必要不可欠なものか?費用対効果の高い修理サービスはあるか?

DIYプロジェクトや小規模で安価な機器の修理の場合、コネクタハウジングやコンタクトなどの購入に加えて低価格のツールも購入しなければならないとなると、お金に見合わないかもしれません。このような場合、嵌合する両コネクタを完全組立品に交換するか、基本的なはんだ付け工具は安価で時間が経過しても陳腐化しないので、はんだ付けによる終端処理を行うことを検討してください。はんだ付け工具は多くの修理や頻度の低い電子機器のプロジェクトに役立ちます。また、コンタクトをはんだ付けしてくれる人や、はんだ工具を貸してくれる人を見つけるのも良いでしょう。ターミナルブロック(はんだ付けや圧着なし)は、圧着工具の価格がネックになる小規模プロジェクト向けのもう1つの選択肢であり、既存の多くのコネクタハウジングでは圧着済みリードが利用可能です。

はんだごて:
[ここをクリック https://www.digikey.jp/ja/products/filter/soldering-irons-tweezers-handles/268
製品検引 > はんだ付け 、はんだ吸取、リワーク製品 > はんだごて、ピンセット、ハンドル

はんだステーション:
[ここをクリック https://www.digikey.jp/ja/products/filter/soldering-desoldering-rework-stations/264
製品検引 > はんだ付け 、はんだ吸取、リワーク製品 > はんだ付け、はんだ吸取、リワークステーション

ターミナルブロック:
[ここをクリック https://www.digikey.jp/ja/products/filter/terminal-blocks-wire-to-board/371
製品検引 > コネクタ、相互接続 > 端子台 - ワイヤ対基板

圧着済みリード線:
[ここをクリック https://www.digikey.jp/ja/products/filter/jumper-wires-pre-crimped-leads/453
製品検引 > ケーブルアセンブリ > ジャンパ線、圧着済みリード線

しかし、ある状況下では、手動の圧着工具が必要になります。修理の中には非常に特殊な部品を必要とするものがあり、代替品を使用すると性能や品質に問題が生じる可能性があります。ビジネスや趣味で頻繁に圧着接続をするお客様もいらっしゃると思いますが、いずれも一般的には少量生産の仕事です。手動圧着工具を収集すれば、多額の投資をすることなく、さまざまな生産オプションや修理が可能になります。修理業者や試作業者、小規模な製造業者は、大型の自動化されたタイプではなく、手動の圧着工具を使用することがほとんどです。特定の業界では認証された製品を必要とするため、指定された工具(ブランド名と型番)以外のものは選択肢に入りません。

手動圧着工具は、適用できるコンタクトの種類や最終製品の品質など、多くの選択肢を失うことなく、最も安価なソリューションを提供します。また、業界や小売商品によって共通化されるコネクタも多いので、それらを中心に手動圧着工具の選定を行うことが可能です。手動工具には、圧着の繰り返しによる問題を軽減するために、ソフトグリップ、人間工学に基づいた形状、およびラチェット式圧着(段差圧着)の機能を備えたものがあります。前の図の品番0640160201は一例です。
[ここをクリック https://www.digikey.jp/ja/products/detail/molex/0640160201/2074098

手動工具の仕様で、どのコンタクトサイズと梱包オプション(ルーズピースまたはテープ/リール)に対応しているかを必ず確認してください。
[ここをクリック https://www.molex.com/pdm_docs/ats/ATS-640160201.pdf

注:ビジネス用に手動圧着工具を購入されるお客様で、コストに見合うかどうか心配されている方は、この製品は減価償却資産となるため、時間をかけてコストを回収することができることを思い出してください。

自動圧着工具は、「ベンチクリンパ」や「ベンチプレス」として販売されることが多く、ほとんど大規模生産用として販売されていますが、場合によっては特定の圧着方法を必要とする特殊なタイプのコンタクトのために販売されるケースもあります。

油圧や空気圧を利用した自動圧着工具などでは、大幅なコストアップとともに、スペースや付属品(アクセサリ)も必要になります。また、関連するコンタクトが生産中止になれば、これらの機器への投資も無駄になる可能性があります。しかし、「時間単位」で見ると、信頼性の高い大量生産を行うためには、自動化システムが唯一の選択肢となります。またこのタイプでは、手で圧着を繰り返すことによる作業者の疲労を回避することができます。場合によっては、コンタクト用に特別に作られた手動圧着工具がなかったり、自動圧着機がテープ化されたコンタクト(キャリアストリップ配置のコンタクト)を処理できる唯一のタイプであるため、一部のコンタクトではこれが唯一のオプションとなることがあります。

空気圧式ベンチプレスの例として、Molexの品番0638082410があります。
[ここをクリック https://www.digikey.jp/ja/products/detail/molex/0638082410/9686512]
この投稿の時点では、当サイトの表示価格は5,544米ドルでしたので、生産量とコストの回収が重要になることを示す明らかな例と言えます。

この2種類の圧着工具の間には、パワーアシスト式手動圧着工具など、両者の長所を併せ持つ選択肢もあります。手動圧着工具に付随する低速作業やオペレータの疲労を回避し、また全自動タイプのような膨大なコストをかけずに、より大量で安定した圧着品質を実現することができます。

この原則は、長方形コンタクトだけでなく、他のタイプのコンタクトにも適用されます。フェルール、クイックコネクト、バレルタイプにも、自動圧着工具だけでなく、手動工具も用意されている場合があります。

業界内で利用可能なアプリケーションツールの種類と各タイプの利点を知るには、Digi-keyサプライヤの主要リストをご覧ください。

Molexのアプリケーションツーリング:
[ここをクリック https://www.molex.com/ja-jp/products/application-tooling

TEの手動および半自動のツーリングソリューション:
[ここをクリック https://www.te.com/content/dam/te-com/documents/application-tooling/global/5-1773465-1_Manual%20&%20Semi-Auto%20Tooling_Catalog.pdf

Astro Tool Corporation(製品紹介):
[ここをクリック https://www.astrotool.com/products

Digi-keyのホームページから、これらの製品をはじめ、多くのツーリングソリューションが検索できます。[ここをクリック https://www.digikey.jp




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