鉛フリーはんだのはんだ付けに使用されるはんだごて先 は、酸化による濡れ性の問題に対して感度が高くなっています。また、はんだごて先の表面が下図のように黒くなることがあります。このようになると、はんだがこて先の表面がはんだで十分濡れなくなることが多くなります。
こて先が黒くなると、はんだ濡れ性が悪くなり、部品を効率的にはんだ付けするのに十分な熱を供給できなくなります。このはんだ濡れ不良が原因で、次のことが起こることがあります。
- 炭化したフラックスなどの残渣がこて先のメッキ面に付着します。
- その後、こて先のメッキ面は空気(酸素)にさらされて高温酸化します。
- はんだ中の錫は高温酸化します。
- 錫と鉄の間に金属間化合物が形成され、こて先の錫被膜が減少し始めます。
- 錫と鉄の合金が高温酸化します。
そのため鉛フリーはんだを使用する場合は、以下の提案を参考にしてください。
- はんだ接続を行なわない場合は、はんだごてを長時間つけっぱなしにして高温で放置しないでください。
- こて先温度を400℃以上にしないでください。
- フラックスは活性化レベルが高く、長時間活性化できるものを使用してください。
- はんだ付けを行わないときは、こて先の錫メッキ面全体をはんだでコーティングしてください。
- こて先が酸化したり黒ずんだりして、こて先がはんだで十分に濡れなくなった場合はHakko、 FS-100のようなケミカルペーストを使用してこて先を再錫メッキ化することができます。このようなケミカルペーストは、塩化亜鉛などの腐食性のある薬品を使用せずに、こて先の酸化の程度が進んだ酸化物を除去するために特別に設計されています。
はんだ付けの際、または保管前にこて先を錫メッキする前に、これらのmetal brass wool こて先クリーナ のいずれかを使用することで、こて先をきれいに保つことができます。ウールにこて先を突っ込む前に、こて先の表面を叩いてこて先のはんだの大部分を除去することを確認してください。