テーピング梱包は、エレクトロニクス業界では非常に一般的なものです。そのため、「これは何ですか?」と質問すると、「単なる梱包の選択肢です」というそっけない答えが返ってくることがあります。しかし、テーピング梱包にはもっと詳細な説明および仕様があり、今回はそれに関連するあらゆることを調査してみます。
「テープ」とは何ですか?
テーピング梱包は、基本的に平らなストリップで、部品を入れるポケットが付いています。ストリップは、ESDに敏感な部品のために、厚紙のような紙や黒色のエンボス加工されたプラスチックで作られ、少なくとも片方の側面に沿ってスプロケットを備えています。テーピング梱包は、面実装コンデンサ、抵抗器、集積回路、ダイオード、さらにはスイッチ、小型電源、RFモジュールなどの多くの電子部品に使用されています。
Texas Instrument REG102 voltage regulator datasheet(Texas Instrumentsの電圧レギュレータ REG102のデータシート)のスクリーンショットです。
上の画像の内訳を見てみましょう。
- A0、B0およびK0は、いずれも部品の仕様に依存します。
- W寸法はテープ幅を表し、4mm、8mm、12mm、16mmおよび24mmが一般的です。
- P1寸法はピッチ、つまり部品間の間隔を表します。一般的なピッチサイズは、2mm、4mm、8mm、12mmなどです。
ファクトリーリールを見てみましょう
ファクトリーリールの要素には、リーダー、部品用キャリア、トレーラー、プラスチックキャリアに接着する透明なテープ、プラスチックリール本体があります。 リーダーやトレーラーは、部品の搭載されたキャリアの前後の空のキャリア部分です。リーダーやトレーラーはメーカーによって異なりますが、ピックアンドプレースマシンに部品を供給できるように、通常4~18インチの長さになっています。SparkFunがRC0603FR-07470RLのリール属性を見事に分解してくれました。彼らの「Leader Cheaters」の記事はこちらです。Leader Cheaters - News - SparkFun Electronics
一般的なリールサイズの直径は、小さな面実装部品の大半は7インチ、大きな部品や大量生産用のリールは13インチです。他のサイズも可能ですが、7インチと13インチは広い範囲の一般的な部品に適合します。
巻き方の手順も、テープが時計回りに巻かれているのが標準です。
テーピング梱包が求められる背景
テーピング梱包は、部品の取り扱いを考える上で、さまざまな問題を解決してくれます。- 部品をピックアンドプレースマシンに供給し、基板を組み立てることができます。ピックアンドプレースマシンの動作とテーピングされた製品の実装の様子はこちらからご覧いただけます。
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出荷時、取り扱い時、および保管時に部品は保護されます。
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SOT23-5パッケージの電圧レギュレータの例のように、部品を正しい方向に保つことができます。
画像はInternational Rectifier IRU1205 datasheetより抜粋
カットテープの話をしましょう
多くのファクトリーリールには、1台あたり数千個の部品が搭載されています。それで、ファクトリーリールを何個も購入する顧客層には有効かもしれませんが、少量しか必要としない少量購入者、エンジニア、学生には理想的な選択肢ではないかもしれません。Digi-Keyはこの問題を解決するために、カットテープと呼ばれる付加価値サービスを提供しています。リーダーを外し、依頼された数量を数えて、ファクトリーテープをカットします。テーピングされた製品は、適切なラベルが貼られた青い袋に入れられます。
2021年春にリリースされた新しい革新的なカットテープの特徴は、カットテープのストリップにご注文に応じた情報を印刷する「Part Tracing(部品追跡)」です。Part Tracingについて詳しくはこちらをご覧ください。
カットテープの数量を、リーダーやトレーラの付いたミニリールとして使用したいお客様には、Digi-Reelをご用意しています。これは、カットテープのストリップにリーダーやトレーラーを再装着する付加価値サービスです。