コンデンサの故障メカニズム

コンデンサは、人間が作り出した他のすべてのものと同様に、いずれはパラメトリックに、あるいは壊滅的に故障します。パラメトリック故障とは、デバイスの機能は維持されているが、徐々に劣化が進み、性能仕様を満たせなくなる故障のことです。一方、壊滅的な故障は、デバイスの特性が突然劇的に変化し、自己分解、燃焼、白熱などを含む規格外の動作になることが特徴です。

絶縁破壊

絶縁破壊による故障は、誘電体材料の絶縁特性が、漏れ電流を特定のレベル以下に維持することができない電気的な状態です。絶縁破壊による故障は、デバイスの定格を超える電圧の印加や、指定された温度範囲外の動作によって生じることが多く、自己増殖型の低インピーダンス(短絡)故障になる傾向があります。このため、コンデンサの種類によっては軽度の絶縁破壊に耐えるものもありますが、多くの場合劇的な変化を起こします。絶縁破壊と熱破壊は、どちらか一方が原因であることもあればもう一方が原因であることもあり、故障の分類が難しい場合があります。

熱的故障

熱的故障とは、デバイスの過剰な温度によって発生する故障のことです。過剰な温度によって絶縁破壊現象が発生する状況では、通常、短絡故障となります。また、熱による故障は、高温での長期間の動作により、デバイスのパラメータが許容範囲を超えてシフトする長期的な現象であると考えられます。

機械的故障

機械的故障とは、デバイスの物理的な損傷が故障の近因となるもので、パラメータの規格外れ、短絡、あるいはオープン不良として現れることがあります。セラミックコンデンサによく見られる機械的故障は、通常、製造・組立工程で発生しますが、誤使用や機械設計の不備により、現場で発生することもあります。




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