APDahlen Applications Engineer
なぜ工場でワイヤレス押ボタンスイッチを使用するの でしょうか?
リモート押ボタンスイッチを検討する際に最初に思い浮かぶのは、ガレージの扉の開閉装置です。このタイプのコントロールの恩恵を受けられる、安全を最重視しなくてもよいアプリケーションはたくさんあります。いくつかの利点を紹介します。
- オペレーターは、一定レベルの制御を維持しつつ、装置のまわりを自由に動きまわることができます。
- 電線や配管がないため、装置の配線が簡素化されます。
- ワイヤレス制御は、装置の配線を変更することなくスイッチアセンブリを移動させることができるため、半永久的に装置に接続することができます。
- ワイヤレススイッチブロックは、既存のHarmony押ボタンスイッチに追加することができ、それにより、1つの装置から別の装置へ制御信号を渡すことができます。別の言い方をすれば、このソリューションにより、装置間のドライリレー接点の配線が不要になります。
この技術記事では、図1に示すSchneider ElectricのHarmony押ボタンスイッチシステムについて説明します。この図にはZBRRAレシーバとZBRM22B0ワイヤレスハンディボックスが示されています。このレシーバは小型のrelay / PLCトレーナに取り付けられ、B&K Precisionの1550電源から給電されます。
技術的なヒント: 「安全重視」という用語は、リモート制御アプリケーションにとって考慮すべき重要な要素です。Schneiderの資料にあるように、Harmonyリモート押ボタンスイッチシステムを吊り上げまたは非常停止に使用してはなりません。これらの人命にかかわる重要な制御装置は、該当する地域、州、連邦政府のガイドラインに従って、機器にケーブル接続する必要があります。
図1: Schneider ElectricのHarmony ZBRRAレシーバとZBRM22B0デュアルリモートワイヤレス押ボタンスイッチのテスト用セットアップ
Harmonyワイヤレス押ボタンスイッチはどのように機能するのでしょうか?
Schneiderの製品サンプルがDigiKeyの研究室に届いたとき、テクニシャンとエンジニアの注目を集めました。「ワイヤレス」と「バッテリレス」という仕様に興味をそそられたのです。そこで正しい手順で、図2に示すようにリモート押ボタンスイッチの筐体を開けました。
図 2: ZBRM22B0押ボタンスイッチアセンブリ内部の写真。ZBRT2モジュールの1つが取り外され、手前に置かれています。
図2に示すように、押ボタンスイッチアセンブリの製品コードはHarmony ZBRT2モジュールです。ここでは、1つのモジュールが取り外され、写真の手前に配置されています。これらのモジュールは同じフットプリントを持ち、他のHarmonyスイッチと互換性があることに注意してください。図3は、Harmony XB5に取り付けられたワイヤレスモジュールを示しています。
図3: Harmony XB5スイッチアセンブリに取り付けられたZBRT2ワイヤレスモジュールの写真
ZBRT2はZigbeeトランスミッタを搭載しています。
Schneiderのワイヤレスシステムは、IEEE 802.15.4 Zigbeeプロトコルをベースにしています。ZBRT2モジュールは低電力トランスミッタを搭載し、DINレール取り付け用レシーバは高感度を特徴としています。システムは2.405GHzで動作します。無線パケットをキャプチャできれば興味深いでしょうが、それはまた別の機会にしましょう。
ZBRT2は環境発電(energy harvesting)を利用しているようです。
ZBRT2モジュールはバッテリレスです。また、外部電源用のいかなる外部接続端子もありません。したがって、Zigbeeトランスミッタのエネルギーはユーザーが供給していると結論づけることができます。動画2に示されているように、ボタンが押されたときと離されたときにデータが送信されることを知っておいてください。したがって、ボタンを押すときと離すときの両方で環境発電が使われていると結論づけることができます。これは、1パケットの情報を送信するのに必要なわずかなエネルギーです。具体的には、ZBRT2は固有のIDを送信しなければなりません。おそらく別の日に、トランスミッタを分解してその仕組みを解明できるでしょう。
技術的なヒント: Harmonyワイヤレストランスミッタは、理想的な環境で100mまで動作します。これは特にZBRRAレシーバが金属製の(シールドされた)制御盤内に設置されている場合には現実的ではありません。Schneiderのデータでは、25メートルがより現実的な範囲です。ZBRRAレシーバには適用できませんが、Schneiderには関連するZBRN1ゲートウェイなど、オプションの外部アンテナ接続端子を備えたデバイスがあります。
SchneiderのZBRRAレシーバは、制御盤内で物理的にどのように接続されているのでしょうか?
ZBRRA出力は、2つの単極双投(SPDT:Single Pole Double Throw)リレーで構成されています。他のリレーと同様に、接点の定格電流は印加電圧と承認機関によって異なります。一般的な仕様として、接点の定格電流は3Aで、小型負荷の直接接続が可能です。レシーバは、モータスタータを直接制御するためにも使用できます。
ZBRRAの動作モードにはどのようなものがありますか?
ZBRRAには4つのモードがあります。
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オルタネイト: これは、単一の押ボタンスイッチによるプロセス制御に似ています。最初にボタンを押すとシステムが起動し、次にボタンを押すと関連のシステムが停止します。
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モメンタリ: ボタンが押されている間、出力はアクティブになります。これは動画1に示されているモードです。
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ワンショット: この出力は、ボタンが押されたことを検知すると1パルスを送信します。
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スタート/ストップ: これは従来の3線式のモータスタートストップ回路と同じであり、1つのボタンスイッチでシステムを作動させ、1つのボタンスイッチで停止させます。
動画1: テストベッドの赤と緑のパネルランプは、関連する赤または緑の押ボタンスイッチを押し続けている間だけ点灯します。
PLCとのインターフェース
ZBRRAのリレー出力は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC:Programmable Logic Controller)に適切なインターフェースを提供します。レシーバの出力リレーの一方は24V DCに接続され、もう一方のノーマリオープン接点はPLC入力(チャンネル1は11と14ピンのペア、チャンネル2は21と24ピンのペア)に接続されています。PLC から見ると、リモートレシーバは他の入力フィールドデバイスと同じです。図1をよく見ると、赤い電源ブロックからの24V DCと、赤と緑のパネルランプに接続する2本のワイヤが示されています。
技術的なヒント: PLCを使用して、ユーザーに独自のフィードバックを提供することができます。フィードバックのシンプルな形態は、PLCがキーの押し下げを検出するとブザーを鳴らすことです。そして、複数のキーの押し下げ、もしくはキーの押し下げのパターンを使用して、複数の機能を実行することができます。たとえば、ボタンを10 秒間押し続けると、PLCをオルタネイトモードに移行できます。できることはたくさんありますが、シンプルであることに越したことはありません。
SchneiderのHarmonyシステムはどのように構成されていますか?
それぞれのZigbeeトランスミッタには固有のIDがあります。正しく動作させるためには、レシーバとトランスミッタをペアリングする必要があります。例えば、動画1の赤い押ボタンはチャンネル1とペアリングされ、緑の押ボタンスイッチはチャンネル2とペアリングされています。設定とペアリングの手順については、Schneider Electricが作成した動画2をご覧ください。
動画2: Harmonyワイヤレスレシーバの設定方法
おわりに
これは探求するのが楽しい製品です。配線も設定も、とても簡単です。この製品を使った皆さんの成功事例を聞かせてください。また、もしチャレンジしたいのであれば、技術的なヒントに記載されているユーザーフィードバックに基づいて、PLCで何ができるかを確認してください。.
ご健闘をお祈りします。
APDahlen
著者について
Aaron Dahlen 氏、LCDR USCG(退役)は、DigiKeyでアプリケーションエンジニアを務めています。彼は、技術者およびエンジニアとしての27年間の軍役を通じて構築されたユニークなエレクトロニクスおよびオートメーションのベースを持っており、これは12年間教壇に立ったことよってさらに強化されました(経験と知識の融合)。ミネソタ州立大学Mankato校でMSEEの学位を取得したDahlen氏は、ABET認定EEプログラムで教鞭をとり、EETプログラムのプログラムコーディネーターを務め、軍の電子技術者にコンポーネントレベルの修理を教えてきました。彼はミネソタ州北部の自宅に戻り、このような記事のリサーチや執筆を楽しんでいます。LinkedIn | Aaron Dahlen - Application Engineer - DigiKey