産業用制御機器およびオートメーション機器のトラブルシューティングガイド


APDahlen Applications Engineer

効果的なトラブルシューティングは、技術者の根幹をなす技能です。これは、問題を特定し、そして効果的に修復を行うために用いる生来のスキルだと言い切る人もいます。他の人々にとって、それは超能力です。図1に示されているプログラマブルロジックコントローラ(PLC:Programmable Logic Controller)ベースのような複雑なシステムを修復する天賦の才能を持っている人もいます。

その通りです。

しかし、私の経験では、電気や電子システムのトラブルシューティングは教えることができるスキルです。実際、何世代にもわたって軍の技術者たちは教えられてきました。そのうちの何人かは、おそらくあなたの施設で働いていることでしょう。軍隊はあなたの業界と似ており、機器を迅速に稼動可能な状態に修復できる熟練した技術者が大いに必要とされているからです。

図1: SchneiderのModicon PLCとHMIを搭載したPLCトレーナの一部完成写真

安全性

一見、良さそうに見えるシステムも、生命や身体にとって危険を伴うものなので、安全性から始めることが不可欠です。技術者は感電、窒息、溺死、圧死、皮膚剥離、巻き込み、失明、コレラ感染、肺虚脱、アークや爆発による火傷、その他多くの不幸に見舞われる可能性があります。

安全性について完全な答えを見いだすのは、この記事の範疇を超えています。その代わりに、いくつかの包括的な考えについて触れておきます。

  • 機器を電気的、機械的、空気圧的、および油圧的に安全にするために、ロックアウト/タグアウト(LOTO:Lock Out Tag Out)の手順に従ってください。

  • 労働安全衛生基準(OSHA:Occupational Safety and Health Standards)を含むすべての連邦および州の規制を理解し、従ってください。

  • 雇用主の安全規則に従ってください。研修プログラムに積極的に参加することをお勧めします。雇用主が技術者向けの安全規則を明文化していない場合は、時間をかけて調査し、独自の規則を作成してください。

  • 作業に適した個人用保護具(PPE:Personal Protective Equipment)を使用してください。

  • 必ず共同作業者と作業してください。

  • 時計、指輪などの導電性金属を外してください。長い髪やネクタイ、首から下げた社員証などが巻き込まれないようにしてください。

  • 特に油断は禁物です。安全文化があるとはいえ、愚かにも自分の身の安全を他人に委ねてしまえば、危険なものになりかねません。あなたほど、あなた自身の身の安全に関心のある人はいません。また、あなたが工場内で、関連する安全リスクを特定し、理解できる数少ない一人である可能性が非常に高いと言えます。

技術者であるあなたには、あなた自身と他の人々の安全に対する責任があります。

技術的なヒント: サービスパネル内で作業する場合、特に電気安全インターロックが解除されている場合は十分注意してください。もし作動してしまうと、致死的な高電圧にさらされることになります。一瞬の油断が災害をもたらします。技術者とオペレーターの安全のためには、安全方針を明確に文書化し、厳格に実施することが不可欠です。

海軍の6ステップトラブルシューティング

下記の「著者について」にあるように、私は米国沿岸警備隊に合計27年間勤務しました。私の形成期は下士官技術者として過ごし、後半は士官として過ごしました。このような経歴は、技術者、監督者、教育者など、さまざまな役割を担ってきた私に、ユニークな視点を与えてくれています。

海軍の6ステップトラブルシューティングの手順は、効果的なトラブルシューティング技術です。この手順は、海軍電気電子訓練シリーズ(NEETS:Navy Electricity and Electronics Training Series)のModule 19 - The Technician’s Handbook, NAVEDTRA 14191に概説されています。このアプローチは、この資料が最初に書かれたときに使用されていた真空管エレクトロメカニカル方式の同調式無線送信機や受信機とまったく同様に、現在のプログラマブルロジックコントローラ(PLC)ベースの産業用機器にも適用できます。

この文書には以下のように書かれています。

電気的または電子的なユニット、サブシステムまたはシステムを保守したり、保守の補助を行う仕事があるかもしれません。これらの仕事の中には複雑なものもありますが、複雑な仕事でも簡単なステップに分解することができます。基本的に、電気機器や電子機器の修理は以下の順序で行う必要があります。

  1. 症状の認識: 電子機器の何らかの障害や機能不全を認識します。

  2. 症状の詳細化: トラブルの症状のより詳しい情報を得ることが、このステップの目的です。

  3. 故障の可能性が高い機能のリストアップ: このステップは、複数の機能エリアまたはユニットを含む機器に適用できます。収集した情報から、トラブルは論理的にどこにあるでしょうか?

  4. 故障のある機能の特定: このステップでは、マルチユニット機器のどの機能ユニットに、実際に不具合があるかを判断します。

  5. どの回路にトラブルがあるかの特定: このステップでは、トラブルを特定の回路に切り分けるために、広範囲のテストを行います。

  6. 故障の解析: このステップは複数の部分からなります。ここでは、どの部品に不具合があるかを判断し、その部品の修理と交換を行い、故障の原因を突き止め、機器を正常な運転状態に戻し、必要な情報を他の保守担当者のために記録簿に記載します。

ステップ1:症状の認識

機能不全を認識するためには、機器を知る必要があります。これには、サイクルタイミングとシーケンスを含む、機器の操作に関する直感的な感覚を養うことも含まれます。積極的に、そして迅速に機器について学んでください。結局のところ、機器の操作方法を知らなければ、どうやって機器を効果的に修理できるでしょうか?

自分自身や他人を危険な状況に巻き込まない方法を知っていなければならないので、安全性も重要な検討事項です。 機器の操作に慣れるために必要な時間と努力に代わるものはありません。

この重要なステップで失敗すれば、オペレーターや生産管理者の目から見たあなたの専門家としての評価に傷が付いてしまいます。機器のダウンタイムは、1分あたり数百ドルから数千ドルの損害を会社に与えますので、あなたは痛手を負うことになります。

ステップ2:症状の詳細化

修理依頼に対応する際には、一旦立ち止まって、機器の不具合をすべて正しく特定することが重要です。私たちは往々にして、視野が狭くなり、最初の症状に集中してしまいます。これでは、1つの問題は解決することはできても、本当の問題は解決されていないかもしれません。さらに悪いのは、技術者が問題を1つ解決しただけで、機器はまだ修理が必要なのに立ち去ってしまうことです。これは、別の修理依頼、潜在的な機器の損傷、収益の損失、そして確実に評価の低下につながります。

多くのシステムでは、機器を完全なサイクルで稼働させるか、あるいは稼働させようとすれば十分です。明らかに、故障のポイントを超えて運転しても意味がありません。

標準作業手順書(SOP:Standard Operating Procedures)を使用することで、システムの詳細な理解が深まることを認識しなければなりません。これにより、オペレーターや技術者によくありがちなミスを防ぐことができます。SOPとは、現場や機器固有の初期設定、操作手順、通常のシャットダウン、緊急時の手順を含むチェックリストであることを思い出してください。厳密かつ密接に関連する例としては、航空機が準備できていることを確認するために、飛行士や地上職員が使用する航空機特有の飛行前チェックリストがあります。

技術的なヒント: SOPの熟知は、前述の症状の認識とシステムの詳細化の重要な側面です。もしSOPが書かれていなければ、正しく記載されたSOPの作成を最優先事項としてください。SOPは新しい人材を養成し、機器のダウンタイムを低減するための基礎となるため、時間をかける価値は十分にあります。

関連する注意点として、システムの詳細化を行う際には記憶に頼ってはいけません。書き留めてください。最善の方法は、各機器の保守点検記録簿を管理することです。これは、機械と一緒に保管される物理的な点検日誌であってもよいし、会社のシステムで管理される電子的なコピーであっても構いません。

保守点検記録簿を使用して、トラブルシューティングのステップごとの症状および修理内容の説明を記録してください。これらの作業により、かなりの時間を節約できます。これは特に、複数の別々の担当者が機器を修理する場合に当てはまります。また、修理依頼の最初の理由とオペレーターが観察した症状を必ず記録してください。これは、トラブルシューティ ングが困難であることでよく知られている、断続的な故障や温度依存性の故障の場合に役立ちます。

症状の特定のために見るべきところ

産業用機械で使用されるコンポーネントは、トラブルシューティングを考慮して作られています。基本的なものですが、重要なものは以下の通りです。

  • フロントパネルインジケータ

  • 図2に示すSiemensのS7-1200 PLCのように、PLCの前面に配置されているインジケータLED。これは、プラグインおよび拡張モジュールにも適用できます。

  • センサやアクチュエータなどのフィールドデバイス本体のインジケータLED。代表的な例としては、空気圧または油圧システムで、方向制御バルブ(DCV:Directional Control Valve)にインジケータLEDを配置し、シリンダ位置センサにインジケータLEDを配置したものがあります。

  • 制御リレーに関連するインジケータLED

  • リレーのアーマチュアの物理的位置

  • インターポージングリレー(中継リレー)の動作

  • モータ、エアーシリンダ、モータ制御バルブ(MOV:Motor Operated Valve)などのフィールドデバイスの物理的動作

もう一度言いますが、機械に関連する操作とサイクルを知ることが重要です。この重要な情報がなければ、いつ、どこを見ればいいのか分かりません。

安全性: エアー漏れや油圧漏れを、決して手で調べないでください。 まだこの意味を知らない方は、油圧機器による穿刺創という用語について調べてください。その写真は心臓の弱い人向けではないので注意してください。その傷は手足を治すのに大がかりな手術が必要なほど悲惨なものです。

先進的な機械には、以下のような追加情報が含まれる場合があります。

  • クラウドまたはローカルのデータベースに保存されたタイムスタンプ付きエラーログ

  • ヒューマンマシンインターフェース(HMI:Human Machine Interface)

これらのログが適切かどうかは、システムプログラマーのスキルとイマジネーションに直接関係します。自動車が良い例です。ここでは、エンジニアが車のセンサからのフィードバックに基づいて多種多様なエラーを検出し、記録し、そして報告するシステムを設計しています。多くの不具合はデータから直接判断できるかもしれませんが、データを適切に解釈するにはスキルを持った技術者が必要です。内蔵の自己診断機能を盲目的に頼ると、高額な修理費をもたらします。なぜなら、機器の一部でうまくいかない可能性のあるすべての事象の組み合わせや順列を予測することは非常に難しいからです。お客様の施設で稼動している機械を熟知している技術者に代わるものはありません。

図2: SiemensのS7-1200 PLCの写真。このPLC には、すべてのデジタル入出力の状態を示すインジケータLEDが搭載されています。

技術的なヒント: 入力LEDと出力LEDの解釈には注意が必要です。LEDはスイッチやソレノイドへの駆動信号のような遅い信号には非常によく機能しますが、高速の信号やパルスには機能しません。LEDの解釈を誤ると、トラブルシューティングのプロセスにかなりの混乱と遅れが生じます。

ステップ3:故障の可能性が高い機能のリストアップ

この時点まで、すべてのデータは視覚、触覚、および聴覚を使って収集されてきました。テスト機器を使用していないことに気づいているでしょう。その代わり、機器を慎重に検査し、オペレーターの説明と確認されたすべての症状を書き留めています。

この時点で、技術者は一歩下がり、収集されたすべてのデータを検討する必要があります。 その目的は、機能不全の根本的な原因を探し、論理的に問題の原因となりうる箇所を見つけ出すことです。 代表的な例として、図3に示すようなレーザーコントローラを考えてみましょう。このデバイスには、レーザー(図示せず)、ロジックカード、タイマ、およびセーフティリレーが組み込まれています。技術者として、私たちは不具合のあるデバイスまで、そして時には不具合のあるコンポーネントまで、トラブルシューティングを行うことが期待されています。

障害のある機能ユニットを論理的に特定することは、最初の症状に集中したいという誘惑に抵抗する必要があるため、特に難しいステップです。これは、以下のような理由で難しい場合があります。

  • 矛盾した症状が現れることがある

  • 複数の問題が現れることもある

  • 問題が断続的に現れることがある

  • 問題は温度に依存する可能性がある

  • 問題は機械自体ではないかもしれない

  • 問題はメカニカルなものかもしれない

  • 問題はオペレーターまたは技術者自身のミスによるものかもしれない

  • 機器が誤って操作されている可能性があり、問題ではないかもしれない

技術的なヒント: 私は若い頃、小さな町のテレビ修理技師に指導を受けたことがあります。
ありふれた言葉ですが、小さな会社が立ち並ぶ町でした。私の指導者は工場で働き、休みの日には家電製品の修理をしていました。彼はいかにも無愛想でした。おそらく、これは最高の師弟関係ではありませんでした。

父の前で、お前は電子機器に携わる資格のない愚か者だ、と彼が私を罵倒した日のことを決して忘れません。彼は間違っていませんでした。私がステップ3(故障の可能性が高い機能のリストアップ)を心に留めていなかったからです。公平に見て、私は電源に集中すべきなのに、故障がなくなることを期待してオーディオ出力セクションの部品を無作為に交換していました。視野が狭くなってはいけません!

図3: DINレールやスイッチなどの産業用コンポーネントとカスタムPCBが混在するシステムを備えたレーザーコントローラの内部。故障した機能を論理的に特定するには、慎重なシステム認識が必要です。

ステップ4:回路のトラブルを特定

この時点で、問題はいくつかのブロックに絞られました。このトラブルシューティングのステップでは、問題を回路の特定の部分に切り分けるためのテストを行います。この時点ですでに問題が特定されている場合は、ステップ5に進み、完全な故障解析を実施し、根本原因が特定されていることを確認します。

これまでのステップで、すでに故障をいくつかのブロックに限定する作業の仮説ができています。主な目的は、体系的にテストを実施し、問題を1つのブロックに特定し、次に故障したコンポーネントに特定することです。

配線図とテスト機器を使うのは今回が初めてであることに注目してください。

例1:

制御パネルを開き、PLCの電源インジケータLEDが消灯していることに気づいたとします。トラブルシューティングのステップ3で、PLC、AC主電源から24V DCに変換する電源、サーキットブレーカ、絶縁トランス、または主電源自体など、いくつかのブロックに故障を切り分けしています。また、24V DC電源ラインに短絡が発生している可能性もあります。

一部のブロックは、他の症状に基づいて除外できます。たとえば、PLCと24V DC電源を共有しているフィールドデバイスを見てください。センサが刺激に反応して応答(点灯)すれば、多くのブロックを除外できます。例えば、近接インジケータが機能していれば、主電源と絶縁トランスが機能していることを示します。24V DC電源の出力が有効に読み取れれば、すべての上流ブロックを決定的に除外できます。残りのコンポーネントには、サーキットブレーカ、配線の緩みや断線、およびPLC自体が含まれます。

次に再びテスタ(マルチメータ)を使い、「ハーフステップ」(分割統治法)で一連の電圧測定を行い、残りのブロックを切り分けます。PLCの端子で電源をチェックできます。24V DCが存在する場合、PLCに欠陥がある可能性があります。存在しない場合は、PLCと24V DC電源の間のどこかに問題がある可能性があります。

例2:

セイルスイッチで監視される大型送風機を備えたシステムが、HMIに表示される「気流喪失」不具合によりシャットダウンしています。これは今週3度目の故障に対する反応です。機器は正常に作動しているように見えます。ステップ3から、PLC、送風機、またはセイルスイッチの故障が疑われます。しかし、点検日誌を確認したところ、先週、第2シフトの技術者が、羽根が欠けて不具合となったセイルスイッチを交換しています。これは、セイルスイッチの取り付けが不適切であったか、羽が小さすぎたか、スイッチの張力が適切でなかったことを示唆しています。

次のステップで説明するように故障解析を行います。また、セイルスイッチの接点にデータロガーを取り付け、フラッタリングを監視します。データロガーは少なくとも1週間、あるいは故障のパターンが発見されるまで作動させます。

例3:

2台の独立したモータスタータでサーマルトリップが発生したシステムを発見したとします。過負荷ブロックのリセットボタンを押すと、すぐにポンプが作動し、正常に動作しているように見えます。

この時点で、一部の技術者は成功したと主張し、パネルをボタンで留め、次の作業に移るでしょう。多くの場合、これはトラブルシューティング手順の最後のステップを考えていなかったための間違いです。

技術的なヒント: モータの起動はストレスの多いイベントであり、モータは定格速度とトルクで運転しているときよりもかなり多くの電流が流れます。
起動と停止(ジョギング)を繰り返すと、モータが過熱することがあります。また、モータスタータのサーマルトリップが発生する原因にもなります。

ステップ5:故障の解析

この記事で説明されているトラブルシューティングの手順は、6つのステップを順番にこなしていく線形プロセスのように見えます。理想的な状況では、これは真実でしょう。現実は、図4に示すように、次のステップに進むと、見逃していたかもしれない何かを振り返って検討することになり、やっかいなプロセスを繰り返すことがよくあります。

図4: トラブルシューティングは多くの場合、繰り返し行われるプロセスです。

1つの例として、単純なリレーを考えてみましょう。電子工学の勉強から、リレーのコイルがインダクタのような働きをすること、つまり磁気エネルギーを蓄えるデバイスであることを知っているでしょう。直流システムでは、1N4004などのダイオードやその他のタイプのスナバ(逆起電力抑制デバイス)が、リレーのコイルと並列に配置されることがよくあります。このダイオードは、PLCがリレーをオフにしたときに導通するように配置されます。この動作により、リレーのコイルに蓄積された「キックバック」エネルギーの経路が形成されます。このダイオードがないと、リレーがオフになったときに高電圧スパイクが発生し、高電圧スパイクによってPLCのI/O(入出力)が損傷する可能性があります。

つぎに、半導体出力を備えたPLCの出力ピンが損傷したと考えてください。このピンはスナバがオープンになっていたために損傷した可能性があります。また、スナバがショートしたために損傷した可能性もあります。いずれにせよ、故障解析をどのように処理するかが、あなたの専門家としての評価を左右すると言っても過言ではありません。機器を完全な動作に修復させるだけでは不十分であり、なぜ損傷したのかを追求し、適切な措置を講じて再度の損傷を防止しなければなりません。 リレーのスナバの場合、本当の問題(根本的な原因)は故障したダイオードに起因しているため、PLCを交換することは費用がかかるだけでなく、その場限りの修理となります。

ステップ6:フル稼働状態への復帰

これがトラブルシューティングの最終ステップです。故障したコンポーネントを特定し、必要に応じて部品を修理または交換しました。機器をフル稼働の動作に戻す前に、いくつかの重要な処置を行う必要があります。

機器が本当に修理されたかの確認のための、完全な機能テストの実施

前述のように、SOPはこのプロセスを進める上で有用です。事実上、あなたはステップ1に戻り、機能テストを再度実行することになります。複数の問題の可能性があるため、これはトラブルシューティングのプロセスにおける重要な側面です。また、機械がフル仕様の動作可能な状態ではなく、サービスモードのままにしておくなど、技術者が引き起こしたエラーもあります。文書化されていない状態に直面した場合は、必ずSOPを修正してください。

機械オペレーターやシフトマネージャーとの会話を持つ

プロセスに欠陥があるのか、機械に弱点があるのか、あるいは不適切な操作によって故障が拡大したのかを判断してください。また、問題の修復に100%の確信が持てない場合は、オペレーターに断続的に発生する問題への監視を依頼する良い機会です。.

作業の文書化

これは、機械と一緒に保管する点検日誌、または工場の公式メンテナンスデータベースで記録することができます。最低限、以下のことを記録しておく必要があります。

  • 故障の症状

  • 使用した部品

  • 機械に施された調整

  • 修理に要した時間

  • 将来の技術者へのヒント

技術的なヒント: 稼働中の機器と開発中の機器には大きな違いがあります。その結果、現場技術者とエンジニアは、システムに対する見方が大きく異なります。現場技術者は、システムがかつて機能していたので、完全に機能を回復できるという確信を持っています。工場技術者、システムインテグレーターおよびエンジニアは、システムが一度も稼働したことがないため、そのような確信はありません。

おわりに

産業用制御およびオートメーションシステムのトラブルシューティングは体系的なプロセスです。海軍の6ステップのプロセスは、最初に導入されたときと同じように、今でも有効です。実際、最新のPLCやクラウドベースの産業システムの複雑さが増すにつれて、その重要性は増していると言えます。私の好きな実践主義のトレッキングエンジニアがかつて言ったように、「配管を考えすぎると、排水管が詰まりやすくなります」。

効果的なトラブルシューティングを行うには、スキルと訓練、そして適切なテクニックが必要です。

あなたのご意見をお聞かせください。このガイドに不足しているものはありますか?また、他の人が参考になるような例があれば教えてください。もしあれば、下のスペースにコメントを残してください。最後に、この記事の最後にある問題と批判的思考の問題に答えて、あなたの知識を試してみてください。

ご健闘をお祈りします。

APDahlen

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著者について

Aaron Dahlen 氏、LCDR USCG(退役)は、DigiKeyでアプリケーションエンジニアを務めています。彼は、技術者およびエンジニアとしての27年間の軍役を通じて構築されたユニークなエレクトロニクスおよびオートメーションのベースを持っており、これは12年間(一部、軍での経験を織り交ぜて)教鞭をとったことによってさらに強化されました。ミネソタ州立大学Mankato校でMSEEの学位を取得したDahlen氏は、ABET認定EEプログラムで教鞭をとり、EETプログラムのプログラムコーディネーターを務め、軍の電子技術者にコンポーネントレベルの修理を教えてきました。彼はミネソタ州北部の自宅に戻り、このような記事のリサーチやエレクトロニクスとオートメーションに関する教育記事の執筆を楽しんでいます。

注目すべき経験

Dahlen氏は、DigiKey TechForumに積極的に貢献しています。この記事を書いている時点で、彼は150以上のユニークな記事を作成し、さらにTechForumの500にものぼるお客様からの投稿に回答しています。Dahlen氏は、マイクロコントローラ、VerilogでのFPGAプログラミング、膨大な産業用制御に関する研究など、さまざまなトピックに関する見識を共有しています。Dahlen氏の産業制御およびオートメーションに関する著作はこちらのリンクからご覧いただけます。

LinkedInでAaron Dahlenとつながります。

問題

以下の問題は、記事の内容の理解を深めるのに役に立つでしょう。

  1. トラブルシューティングでLOTOが最も重要なのはなぜでしょうか?

  2. フィールドデバイスの2つの一般的なクラスとは?

  3. 海軍の6ステップトラブルシューティングプロセスにおける各ステップを特定し、それぞれのステップについて簡単に説明してください。

  4. 機器のSOPに精通することが、トラブルシューティングプロセスにおいて重要なのはなぜですか?

  5. 正/誤:故障した部品を取り替えることは、トラブルシューティングの最後のプロセスです。

  6. 正/誤:フロントパネルの電源インジケータが点灯しているのに気づかなかったら、ステップ1に戻ります。

  7. 正/誤:LOTOは、海軍の6ステップトラブルシューティングプロセスに関連する暗黙のステップです。

  8. 6ステップトラブルシューティングプロセスのステップ _____ は、航空会社の飛行前チェックのようなものです。

  9. 6ステップトラブルシューティングプロセスのステップ ______ には、ハーフステップが含まれます。

  10. モータスタータの過負荷ブロックを手動でリセットすることに伴う危害について述べてください。

  11. トラブルシューティングの文脈で、視野が狭くなるとはどういう意味ですか?

  12. ハーフステップとはどういう意味ですか? 満点をとるために、典型的なAC主電源とPLCの24V DC入力との相互接続を示すブロック図を提示してください。

  13. 前問に関して、AC主電源から24V DCに変換する電源の電圧測定で何が問題になりますか?ヒント: テスタ(マルチメータ)には、動作モードを選択する切り替えスイッチがありますか? フローティング電圧がありますか?また、メータとプローブは両方とも、少なくともCAT IV定格ですか?

  14. PLCの入力インジケータLEDは、以下の項目を測定するのにどの程度信頼できますか?
    A) リミットスイッチからの安定したオン/オフ信号?
    B) セイルスイッチを横切る気流の乱れによる断続的な「フラッタ」?
    C) パルス信号の存在?

  15. SiemensのS7-1200について調べてください。
    A) 正常運転中に常に点灯しなければならないインジケータLEDはどれですか?
    B) 正常運転中に消灯しなければならないステータスインジケータLEDはどれですか?

  16. 物議を醸している「安全は3番目」という発言について調査し、考えてみましょう。あなた個人としてどのような意味を持ち、そしてこの考え方を、OSHAなどの団体からの指示にどのように適合させますか?

批判的思考の問題

これらの批判的思考の問題は、記事の内容を発展させ、その内容や隣接するトピックとの関係を全体像として理解することができます。このような問題は、自由回答形式であることが多く、リサーチが必要であり、エッセイ形式で答えるのが最適です。

  1. 機器の点検日誌はいつまで保管すべきでしょうか、またその理由は?ヒント: 将来の技術者のための実用的な側面と、法的/トレーサビリティに関する問題の両方を考えてください。

  2. 海軍の6ステッププロセスは、1回で完了するものではありません。あなたの工場にある機器を選び、新しい技術者にタイムラインを提案し てください。新しい技術者は、トラブルシューティングの経験があっても、工場内の機器を見たことがないと仮定してください。 ヒント: 安全性と工場に習熟するための時間が含まれていますか?

  3. CAT II定格の電圧計で安全に測定できる電圧は?CAT II定格のテスタ(マルチメータ)は産業用サービスキットの一部である必要がありますか?

  4. PLCベースの制御パネルでインターポージングリレーを使用する理由は何ですか?

  5. もしLOTO違反を何度か犯したことのある技術者のLOTO違反により、機器オペレーターが損害を被った場合、誰が責任を負うのでしょうか。LOTO違反に対する適切な対応は何でしょうか? ヒント: 明らかにこれは法的な問題です。しかし、オペレーター、技術者、職長、および監督者の視点から考えるには良い問題です。




オリジナル・ソース(English)