スイッチと同じように簡単ですが、スイッチの分類方法は理解するのが難しい場合があります。すべてのスイッチはある数の極(pole)と投(throw)があります。これは次の形式で表されます:
(極の数)P(投の数)T
例えばSPDT(Single Pole Double Throw)は単極双投と表記されます。極は連動する共通ピンがいくつあるかを表し、投は共通ピンが接続できるポジションの数と考えることができます。
それぞれの極は一緒に切り替えられますが、電気的には他の極から絶縁されています。このことで、同じスイッチで異なる電圧を用いて異なる回路を動かすことが容易になります。
複数の投があるスイッチには、ノーマリークローズ(NC)と、少なくとも1つのノーマリーオープン(NO)接点があります。単投スイッチの場合は、NCかNOかを決める必要があります。これはスイッチがアクティブになっていないときにデフォルト状態でスイッチが閉じている(電気的に接続されている)か開いている(電気的に接続されていない)かを示しています。
スイッチの「機能」は、スイッチがアクティブになった時の動作を示します。最初の条件はデフォルトの接続を示し、あとのすべての条件は、アクティブになったときの動作を示しています。共通ピンが別のピンと接続している場合はオン、他のすべてのピンから切断されている場合はオフとなります。例えば、基本的なオフ・オン機能は常にNO回路であり、アクティブになると接続されます。
スイッチのとるポジションごとに条件があります。3ポジションのセレクタースイッチにはオン・オン・オンの機能がある場合があります。これは、いつも異なるピンと接続している単極3投の例です。常にデータシートを見て、必要な接続が行われていることを確認してください。下図は、双極双投である珍しい3ポジション・セレクタースイッチの例です。
モーメンタリー(Mom)機能は少し判りにくいところがあります。この動作はスイッチがアクティブの間のみ継続します。単極単投・ノーマリーオープンでスプリング付き押しボタンスイッチが非常に一般的な例です。その機能はオフ・モーメンタリーでボタンを押すまで電気的な接続はありません。ボタンを離すと、スプリングがデフォルトの状態に押し戻し、電気的接続を切断します。
ほとんどの場合、モーメンタリー(Mom)機能はデフォルト条件とは逆に、オフからオンやオンからオフになりますが、データシートを見て確認する必要があります。中にはいろいろな動作ができる複数のモーメンタリー条件を持つスイッチがあります。下図は、オフ・モーメンタリー・モーメンタリー機能の付いた押しボタンスイッチです。
共通ピンが1個のみで接続するピンが2個であるため、これは単極双投(SPDT)回路になります。スイッチのデフォルトのポジションでは接続はされていませんが、スイッチを押すとポジション1になります。さらに少し押すと、ポジション2になり、別の接続となります。
これらの回路は電流経路が変化するスイッチ、リレー、センサー、その他のデバイスに使用されます。