APDahlen Applications Engineer
この記事では、SiemensのS7-1200 Gen 2安全PLCトレーナー(CPU 1212FC)の製作方法を紹介します。図1に示す完成したキットには、24V DC電源分配、ユーザー操作部、モータスタータ、およびDigiKeyが設計した三相モータシミュレータが含まれています。このDIY PLCトレーナーキットの部品リストはDigiKey S7-1200 Trainer Parts Listに掲載されています。構成部品を確認し、ワンクリックですべての部品をカートへ追加できます。
重要なポイント
- 中核となるコントローラはSiemensのS7-1200安全PLCです。これにより、学生は同一システム上で標準的なオートメーションと機能安全の両方の概念を学ぶことができます。
- このトレーナーは、拡張性を備えたローカル制御盤と捉えることができます。これには、HMI、IO-Link、およびET 200SP分散型I/Oが含まれます。
- このトレーナーは、現場で使用されるハードウェアを用いた配線、立ち上げ、デバッグ、およびプログラミングを実践的に学ぶ必要がある卒業研究(キャップストーン)形式の実習に最適です。
この記事は、 DigiKey Field Guide for Industrial Automationの一部です。
分類: Teach It → Kits
難易度:
Engineer — 難易度レベルの説明
著者: Aaron Dahlen | MSEE | Senior Applications Engineer, DigiKey
最終更新日: 2026年4月14日
図1: DigiKeyのSiemensのPLCトレーナーの写真
設計思想
このトレーナーは、拡張性を備えたローカル制御盤と捉えるのが分かりやすいでしょう。図2は、HMI、安全モジュール、IO-Link、および ET 200SP による分散型I/Oを組み合わせた構成例を示しています。学生は、まずこのトレーナーで配線およびPLCの基礎を学び、その後さらに応用へと発展させていくことをお勧めします。
構成部品は、Siemensを中心とする制御盤製作現場の実情を反映するように選定されています。これには、PLC、モータスタータ、セレクタスイッチ、および押ボタンスイッチが含まれます。カリキュラムに最も適した構成となるように、部品リストは必要に応じて変更してください。
図2: 作業台上のPLCトレーナー。周囲にはHMI、IO-Linkマスタ、および ET 200SP 分散型I/O(別売)が配置されています。
教育コンテンツ
DigiKeyは、産業用オートメーションに関する教育コンテンツを公開しています。PLCの複雑さが加わる前に、産業用配線の基礎を身に付けるため、まず以下の入門トピックから学習することを推奨します。
- First Steps for DIN rail hardware
- Construct the Phase Dock base and DC power distribution block
- 産業用スイッチの基礎
- Relays and ladder diagrams
- 電磁式モータスタータの紹介
ハードウェアに加えて、DigiKeyではSiemensのPLCのプログラミングに関する記事も公開しています。
購入
組立キットの部品リストは、DigiKeyのMyListとして提供されています。これは、SiemensのPLCトレーナーを製作するための出発点として考えてください。それぞれの構成部品を確認し、ご自身の用途に合わせて最適な部品へ変更してください。
接続用電線およびワイヤフェルールはキットには含まれていません。組み立てには、一般的な作業用部材を使用しています。
- AWG22の青色ワイヤ(Alpha Wireの 3053 BL001 )
- 青と白ストライプワイヤ(Alpha Wireの 3053 WU001 )
- フェルール(Schneider Electricの DZ5CE007 )
- フェルール圧着工具(Phoenix Contactの 1213146 )
配線図
トレーナーの簡略化された配線図を図3に示します。前述の教育内容では、Phase Dockのプラットフォームおよび電源分配部の製作方法について説明しています。
電源
このトレーナーには、約500mAの24V DC電源が必要です。外部のベンチ電源を使用できます。
図3: SiemensのPLCトレーナーの簡略化された配線図
SiemensのPLCソフトウェア
TIA PortalのPLCライセンスには、Basic版とProfessional版があります。
- S7 Basic — S7-1200ファミリ(Basic PLC)向け
- S7 Professional — S7-1500ファミリ(Advanced PLC)向け。S7-1200も含まれます。
- S7 Professional Combo — S7 Professionalのすべての機能に加え、旧機種にも対応
このほかにも、特定用途、高度な機能、または業界固有の要件に対応したライセンスが用意されています。これには、高度なシミュレーション機能や安全機能が含まれます。
試用版ライセンス
コンピュータにTIA Portalを初めてダウンロードし、ライセンスを保有していないデバイスを使用しようとすると、21日間使用できる無料の試用ライセンスが提供されます。
製品版ライセンス
製品版ライセンスを取得する方法は3つあります。
- 永続的なフローティングライセンスを購入する — 有効期限はありません。
- サブスクリプションモデルを利用する — 自動更新されます。
- ライセンスをレンタルする — 短期間の利用向けです。
主な構成部品
SiemensのS7-1200安全PLC
このトレーナーには、アナログモジュールを備えたSiemensの CPU 1212FC DC/DC/DC を採用しています。これには、以下のような利点があります。
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安全機能により、学生は ET 200SP 拡張モジュールを使用して、安全度水準(SIL)およびパフォーマンスレベル(PL)に対応したシステムを学習できます。
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ソリッドステート出力により、パルス幅変調の実験を行うことができます。
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アナログモジュールには2つの入力と2つの出力があり、4~20mAまたは0~10V DCの現場レベルのデバイスを用いた学生の実験に使用できます。
コストを抑えるために CPU 1212C DC/DC/DC を使用することもできます。しかし、こちらは安全PLCではないため、高度な学習テーマに大きな制約が生じます。
BannerのS22タッチボタン
Bannerの S22AMTSGRY3 は、非接触式押ボタンと多色表示のパネルインジケータを備えています。関連するBannerのK50タッチボタンについてここで説明されている手法を使用してプログラミングできます。2本の制御線により、4種類の表示パターンを選択できます。
図4に示すように、デフォルトの消灯、赤、黄、緑の各状態を使用する場合、プログラミングは不要です。
図4: Banner S22押ボタンのデフォルト設定
Siemensの 3RT2016 モータスタータ
3RT2016 は、以下のアクセサリを備えた基本的な三相モータスタータとして構成されています。
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熱過負荷リレーが付属しています。学生はDC電源を使用して熱過負荷リレーを動作させることで、時間-電流特性曲線への理解を深めることができます。
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クリップイン式サージサプレッサと外付けのインターポージングリレーにより、学生はPLCインターフェースをシステム全体の観点からより深く理解することができます。この記事では、ダイオードの種類とコンタクタの開放速度との関係について説明しています。
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コンタクタの状態制御を行うため、ノーマリクローズ補助接点ブロックが付属されています。
E-T-Aの電子式回路プロテクタ
E-T-Aの電子式回路プロテクタを搭載しています。これは、学生の思わぬ配線ミスを最小限に抑えるための高速電流制限を提供します。なお、このソリッドステートの回路ブレーカは、熱電磁式トリップブレーカのように大きな過渡電流を許容するのではなく、ほぼ瞬時に電流を抑制します。
産業制御システムをさらに学ぶ
この記事がお役に立った場合は、以下の内容もご覧ください。
DigiKeyナビゲーション
- 全製品カタログ: 産業用オートメーションおよび制御
著者について
Aaron Dahlen氏、元米国沿岸警備隊(USCG)少佐(LCDR)は、シーフリバーフォールズにあるDigiKeyのシニアアプリケーションエンジニアを務めています。エレクトロニクスおよび産業オートメーションに関する彼の知識と経験は、技術者およびエンジニアとして従事した27年間の軍歴と、その後10年以上にわたる教育経験を通じて培われました。
Dahlen氏は、ミネソタ州立大学マンケート校で電気工学修士号(MSEE)を取得しています。また、ABET認定を受けた電気工学プログラムで教鞭を執ったほか、電子工学技術プログラムのコーディネーターを務め、軍の技術者に対して部品レベルの修理技術を指導してきました。
現在は、ミネソタ州北部の故郷へ戻り、コンデンサ探しから始まった数十年にわたる旅を終えました。彼の物語はこちらからお読みください。



