バイポーラトランジスタ(BJT)のFAQ:よくある質問への回答


APDahlen Applications Engineer

この記事では、バイポーラトランジスタに関するよくある質問(FAQ)をまとめています。 お探しの回答が見つかりませんか?それではコメント欄に追加してください。

バイポーラトランジスタ(BJT)とは何ですか?また、どのように動作するのですか?

トランジスタは従来から、リニア増幅器、発振器、またはデジタルスイッチとして動作する3端子の半導体デバイスとして定義されています。トランジスタは、ベースに流れる小さな電流がコレクタからエミッタに流れる大きな電流を制御するように設計されています。

トランジスタは、NPN型またはPNP型のいずれかに分類されます。この名称は、トランジスタの構造に使用される半導体層を表しています。実際には、この名称はデバイスを流れる電流の流れを表します。

トランジスタの基本的な動作原理は、トランジスタのベースに流れる小さな電流がコレクタからエミッタに流れる大きな電流を制御するという電流の流れで説明できます。この小さな電流から大きな電流への制御により、トランジスタは増幅器として動作します。

トランジスタの定義を拡張する

今日では、「トランジスタ」という用語は「半導体」の代わりによく使用されます。そのため、この用語はBJT、JFET、MOSFET、IGBTなど、数多くの半導体部品を指す場合があります。明確にするために、古典的なトランジスタは「BJT」と記載すべきです。

技術的なヒント: トランジスタの回路図記号を覚える良い方法は、NPNトランジスタを「Not Pointing In(矢印が中心を指していない)」と認識することです。

BJTに関する学習の仕方:実験の重要性

エレクトロニクスは観戦するスポーツではありません。むしろ、トランジスタのような複雑なテーマについて深く学ぶには、実際に手を動かして実験してみる必要があります。トランジスタを直感的に理解するには、回路を組み立ててみる必要があります。これは、限界に挑むような作業になるため、おそらく心地よいプロセスではないでしょう。

私が最初に行ったトランジスタ実験の1つに、12V DCの車のヘッドライトの明るさを制御しようというものがありました。それには定番の2N2055が最適な候補であるように思われました。 私はそこで、電力損失と直線性について多くのことを学びました。この実験や関連する何百もの実験を通して、私は直感的な理解を深め、それをすべての回路設計に適用しています。これは生涯にわたる学習ですが、私は今でも間違いを犯します。

ディープラーニングに関するこの記事は、あらゆる年齢の学生に当てはまります。

最後に、Paul HorowitzとWinfield Hill共著の「The Art of Electronics」を入手することをおすすめします。まずは初心者向けのトランジスタ回路を組み立ててみましょう。そして、その回路を修正したり、独自の設計で回路を組み立てることに挑戦してください。

トランジスタは他のどのようなトランジスタに交換してもかまわないでしょうか?

簡単に言えば、答えは「ノー」です。

交換用のトランジスタは、元の回路と適合するように慎重に選択する必要があります。これは、回路が次のようなトランジスタのパラメータに依存しているため、重要なことです。

  • NPN、PNP、ダーリントンなど トランジスタのタイプ

  • エミッタ - コレクタ間電圧などの電圧能力

  • 通常、コレクタ電流として表される電流能力

  • 物理的なパッケージ

  • ゲイン

技術的なヒント: 交換用に誤ったトランジスタを使用すると、新しいトランジスタが即座に破壊される可能性があります。また、繊細なプリント基板(PCB)の配線を含む関連回路も損傷する可能性があります。

交換用のトランジスタはどのようにして探せばいいでしょうか?

可能な限り、直接交換ができるトランジスタを使用すべきです。これは、もとの設計チームがトランジスタの特性を考慮して回路を構築したという認識です。これらの設計思想から逸脱すると、動作が不安定になったり、機器の寿命が短くなったり、回路がすぐに破壊されたりする可能性があります。

部品の生産中止により、直接的な代替品を見つけることが難しくなります。例えば、1970年代の定番のオーディオアンプのドライバ用トランジスタは、もう製造されていないかもしれません。これは、生産中止のパッケージを時々見かけるパワートランジスタの場合に特に問題になります。そのような場合、機器を改造するか、別のドナー機器を購入して部品のみを利用するなどの高価なオプションを検討する必要があります。

DigiKeyで交換用トランジスタを探してください

かつて、修理技術者にトランジスタの代替品を提供するビジネスが盛況でした。NTE(Philips ECG)などの企業は、交換用半導体セットとともにクロスリファレンスブックを提供していました。これは技術者にとっては理想的でした。なぜなら、少数の実在する部品で多くのトランジスタを代替できるからです。例えば、定番のNTE 123は、数百個のトランジスタを置き換えるのに利用できます。

残念ながら、NTEは2024年に閉鎖されました。しかし、貴重なECGとNTEのクロスリファレンス文書は、インターネット上にまだ存在している可能性があります。この方法を使って、DigiKeyが提供するソリューションを検索できます。

  1. オンラインでECG/NTEのクロスリファレンスを確認してください

  2. 交換するトランジスタのECG/NTE相当品を決定してください

  3. ECG/NTEの品番を https://forum.digikey.com/c/japanese/43 で検索し、推奨される代替品を見つけてください

また、https://forum.digikey.com/c/japanese/43に投稿することで、DigiKeyに推奨品をリクエストすることもできます。できるだけ多くの情報を提供することが重要です。これにより、DigiKeyのスペシャリストが代替品を見つける可能性が高まります。

2N2222トランジスタの代替品は何ですか?

ジェリービーンズ2N2222 は、約60年もの間、私たちのそばにありました。オリジナルのデバイスは、図1に示す象徴的なTO-18金属缶にパッケージングされていました。これは、1965年12月28日(1963年11月4日申請)に John(Jack)Haenichenが取得した有名なpatent 3,226,614号に遡ります。

2N2222は、広く手に入り、時代を生き抜いた部品であることから、ジェリービーンズ部品とみなされています。 DigiKeyでは、この古典的な2N2222の多くのバリエーションを提供しています。 DigiKeyの検索バーで「2222 BJT」と検索すると、それらを見つけることができます。

現在、DigiKeyでは、古典的な2N2222を提供しています。これは、古い機器の修復や再生に理想的です。DigiKeyでは、TO-92ケースに再パッケージされた2N2222も提供しています。onsemiのPN2222ABUは、この低コストで現代的な2N2222バリエーションの代表的な製品です。

図1: 1965年12月28日付けJack Haenichenの特許第3,226,614号(1963年11月4日申請)に登場するTO-18パッケージのトランジスタのスケッチ

547トランジスタの代替品は何ですか?

ジェリービーンズBC547は、2N2222または2N3904とほぼ同等の小信号用トランジスタです。

BC547は、ヨーロッパのホビープロジェクトでよく使用されるトランジスタです。この象徴的な品番を一度認識すると、どこでも目にするようになります。しかし、これはBC547がおもちゃであることを意味するものではありません。むしろ、これは非常に人気のある半導体製品であることを示すものです。

ジェリービーンズ2N3904および2N2222は、一般的にBC547の代替品として使用できます。ただし、トランジスタのフル品番、特にゲインを示すサフィックスには注意が必要です。例えば、BC547Cは、前述のトランジスタにはない性能を持つ高ゲインの部品です。

参考までに、BC547および関連ファミリ部品の品番内訳は以下の通りです。

  • 最初の文字:英字の「B」は、バンドギャップが1.0~1.3eVの半導体材料(シリコン)を示します。

  • 2番目の文字:英字の「C」は、主にオーディオ周波数用に設計されたトランジスタであることを示します。

  • シリーズ番号:半導体製品を識別するために3桁の数字が使用されています。

  • ゲインサフィックス:BC107のデータシートをよく見ると、シリーズ番号の後にゲイン指定子が付け加えられていることが分かります。BCXXXAの標準DC電流ゲインは90、BCXXXBは150、そしてBCXXXCは270です。

関連情報

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著者について

Aaron Dahlen氏、LCDR USCG(退役)は、DigiKeyでアプリケーションエンジニアを務めています。彼は、技術者およびエンジニアとしての27年間の軍役を通じて構築されたユニークなエレクトロニクスおよびオートメーションのベースを持っており、これは12年間教壇に立ったことによってさらに強化されました(経験と知識の融合)。ミネソタ州立大学Mankato校でMSEEの学位を取得したDahlen氏は、ABET認定EEプログラムで教鞭をとり、EETプログラムのプログラムコーディネーターを務め、軍の電子技術者にコンポーネントレベルの修理を教えてきました。彼はミネソタ州北部の自宅に戻り、このような記事のリサーチや執筆を楽しんでいます。




オリジナル・ソース(English)