産業用スイッチを用いたロジックゲートの構築:DigiKeyラボ


APDahlen Applications Engineer

このラボは、産業用制御盤を理解するための第一歩となります。信号の流れや導通に関する学習内容は、リレーを用いた制御やプログラマブルロジックコントローラ(PLC)に関する学習に直接応用できます。また、リレーコイルを考慮する複雑さがないため、ロジック演算そのものに集中して取り組むことができる点でも、このラボは非常に有用です。

このラボでは、図1に示すように、ノーマリオープン(NO)接点およびノーマリクローズ(NC)接点を備えた押ボタンスイッチを用いて、ロジックゲートを構築します。入力BおよびAに対して、出力の組み合わせは16通り存在します。図2に示すように、これらの組み合わせの多くは、AND、OR、XOR、NANDといったよく知られたロジックゲートの名称で呼ばれています。


この記事は、DigiKey Field Guide for Industrial Automationの一部です。

分類: Understand It → Relay Logic
難易度: :seedling: Student — 難易度レベルの説明
著者: Aaron Dahlen | MSEE | Senior Applications Engineer, DigiKey
最終更新日: 2026年3月9日


図1: ロジックゲートとして構成した産業用押ボタンの写真.

技術的なヒント: 本ラボでは、「より知識の豊富な他者(MKO)」という用語を使用し、学習者と、講師、メンター、指導者、コーチ、あるいはその内容に精通した上級学習者といった役割を担う他者との協働的な関係を表しています。優れたMKOは、いつ支援を提供すべきか、いつから学習者が試行錯誤しながら自ら学ぶべきかを理解しており、各トピックをより大きな学習体系の中に位置付けて理解できるよう導きます。

学習目標

このラボの目的は次のとおりです。

  • 手工具を使用して実際の組み立てを行うこと
  • 22mmの産業用スイッチおよび表示灯を取り付けること
  • 産業用制御スイッチの配線を行うこと
  • 産業用制御スイッチを用いて基本的なロジック回路を構築すること
  • 実際の回路をラダーロジックで表現すること

評価方法

受講者は、産業用押ボタンスイッチを用いて、MKOが選定した2入力ロジックゲートを少なくとも3つ作成することで、このラボの内容を習得したことを実証します。その際、図2に示された情報のみを用い、支援を受けることなく作成します。また、その回路をラダーロジックで作成して提示します。

必要な材料

必要な部品を図3に示します。各部品の詳細については、「Guide to Selecting Components for Industrial Education」に記載されています。本プロジェクトのこの工程で使用する部品は次のとおりです。

  • 以前のラボで説明したとおりにDC電源分配を構成したDigiKeyトレーナー
  • ドライバー、ナットドライバー、ワイヤカッターなどの一般的な手工具
  • あらかじめカットされ、フェルール端子が取り付けられた各種ワイヤ
  • 最大2Aで24V DCを供給可能で、定電圧モードと定電流モードを自動的に切り替える機能があるDC電源。
  • 22mmの産業用スイッチ本体(緑色の押しボタン付き) 1個
  • 22mmの産業用スイッチ本体(2ポジションセレクタスイッチ付き) 1個
  • ノーマリクローズのスイッチブロック 2個
  • ノーマリオープンのスイッチブロック 2個
  • 22mm 赤色/緑色インジケータ 1個

図3: 実験で使用する部品の写真

テールゲート/ツールボックス安全ブリーフィング

このラボを始める前に、学習者とMKOはテールゲートブリーフィングを実施し、ラボの安全性、目的、および手順を確認してください。次のチェックリストに従って確認を行います。

  • 実験は、電流制限機能を備えた絶縁型24V DCベンチ電源を使用して実施してください。これは一般的に安全であると考えられていますが、回路の調整を行う際は、必ず電源を切ってください。
  • ANDやORなどのロジックゲートについて確認してください。
  • ノーマリオープンとノーマリクローズのスイッチの違いについて確認してください。
  • 必要に応じてノーマリオープンおよびノーマリクローズのブロックを追加することに重点を置いて、22mmの産業用スイッチの組み立て手順を確認してください。
  • ラダーロジックの記号体系について、並列構造と直列構造の違いに重点を置いて確認してください。
  • 単一経路の回路と並列経路の回路の違いに重点を置いて図2を確認してください。例えば、ANDゲートには単一の経路があり、XORゲートには2つの経路があります。
  • ラング(rung、ラダーの1段)の導通を測定するためのマルチメータの使用方法について確認してください。

図2: 2入力ロジックゲートのファミリを示す表

手順

  1. MKOと協力して、正常に動作する押ボタンスイッチを用いたANDゲートを構築し、そのラダーロジックを作成してください。

  2. ORゲートを構築し、対応するラダーロジックを作成してください。

  3. MKOと協力して、正常に動作する押ボタンスイッチを用いたXORゲートを構築し、そのラダーロジックを作成してください。

  4. NANDゲートを構築し、対応するラダーロジックを作成してください。

  5. NORゲートを構築し、対応するラダーロジックを作成してください。

  6. MKOと協力して、評価方法に示した課題を完了してください。

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問題

以下の問題は、記事の内容の理解を深めるのに役立ちます。

  1. 「ラング(rung)の導通」とは、どのような意味でしょうか?

  2. NORゲートの最適化されたラダーロジックを作成してください。

  3. ノーマリオープン(NO)とノーマリクローズ(NC)の押ボタンスイッチは、どのように見分けることができますか?
    ヒント: このラボで使用されているような特徴的な赤色と緑色のブロックが付いている押ボタンスイッチばかりではありません。

  4. 3つの並列分岐を用いて構成されたNANDゲートについて、スイッチを用いたラダーロジックを示してください。

  5. 前問に関連して、最適化したNANDゲートを示してください。ここで「最適化」とは、使用するスイッチブロックと配線の数が最小であることを意味します。

  6. 今後の学習に向けて、リレーとは何ですか?

批判的思考を使う問題

これらの批判的思考の問題は、記事の内容を発展させ、その内容や隣接するトピックとの関係を全体像として理解することができます。このような問題は、自由回答形式であることが多く、リサーチが必要であり、エッセイ形式で答えるのが最適です。

  1. デジタルロジック回路における「グリッチ」の定義について調べてください。また、XOR回路においてグリッチがどのように発生し得るかを説明してください。さらに、PLCなどの高速なデバイスでは、このグリッチがどのように解釈される可能性があるか考察してください。

  2. この実験は、学習を深めるための良い機会となります。この回路は、単純な制御盤には適しています。しかし、前問で示唆したように、PLCベースのシステムでは問題が生じる可能性があります。XORのようなロジック演算は、ソフトウェアで行うべきでしょうか、それともハードウェアで行うべきでしょうか。その理由を説明してください。

著者について

Aaron Dahlen氏、元米国沿岸警備隊(USCG)少佐(LCDR)は、シーフリバーフォールズにあるDigiKeyのシニアアプリケーションエンジニアを務めています。エレクトロニクスおよび産業オートメーションに関する彼の知識と経験は、技術者およびエンジニアとして従事した27年間の軍歴と、その後10年以上にわたる教育経験を通じて培われました。

Dahlen氏は、ミネソタ州立大学マンケート校で電気工学修士号(MSEE)を取得しています。また、ABET認定を受けた電気工学プログラムで教鞭を執ったほか、電子工学技術プログラムのコーディネーターを務め、軍の技術者に対して部品レベルの修理技術を指導してきました。

現在は、ミネソタ州北部の故郷へ戻り、コンデンサ探しから始まった数十年にわたる旅を終えました。彼の物語はこちらからお読みください。




オリジナル・ソース(English)