APDahlen Applications Engineer
この技術概要では、産業用の非接触型温度センサの動作を実演します。このセンサは、ウィンドウ判定による合否のディスクリート出力により、ホットグルーの有無を確認するために使用されます。サーマルイメージャは、このプロセスを可視化し、センサの動作をより深く理解するために使用されます。これは、温度測定には他の産業プロセスではあまり見られない時間依存性があることを学べるため、学生にとって貴重な学習の機会となります。
主なポイント
- このセンサは、吐出されたホットグルーを検出することができます。
- センサのティーチングは、従来のティーチイン用押ボタン、または外部のリモートティーチ制御ラインを使用して行う必要があります。
- 接着剤は急速に冷却されるため、ティーチインのプロセスは複雑です。サーマルイメージャは、セットアップや校正を支援するために、システムの動作を可視化します。
この記事は、DigiKey Field Guide for Industrial Automationの一部です。
分類: Understand It → Sensors
難易度:
Student — 難易度レベルの説明
Author: Aaron Dahlen | MSEE | Senior Applications Engineer, DigiKey
最終更新日: 2026年6月29日
非接触温度測定は、産業プロセスの制御に使用されることがあります。図1に示すように、Bannerの M18TB14 温度センサとKleinの TI 290 サーマルイメージャを用いて、この手法の実演を行います。
この用途には、温度センサが適しています。仕様を見てみましょう。
- ホットグルーの温度は、0°C~+300°C(+32°F~+572°F)と規定されているセンサの測定範囲のほぼ中央にあります。
- このセンサは視野が狭いため、離れた位置から温度を測定できます。これにより、ホットグルーがセンサに付着して汚す可能性をほぼ排除できます。
- このセンサは応答時間が短いため、ホットグルーの個々の塗布箇所を検知できます。スイッチング速度が20Hzであるため、用紙を移動させることで、コンベアの速度をシミュレートできます。
図1: BannerのサーマルセンサとKleinのサーマルイメージャの画像
この温度センサは、吐出されたホットグルーの温度の合否判定を行うために使用されます。図2は、紙に塗布された接着剤と温度センサを示しています。図3は、そのプロセスの熱画像を示しています。
図2: 紙の上に塗布されたホットグルーを検知するBannerの温度センサの画像
図3: 紙に塗られたホットグルーの熱画像。なお、このグルーはすでに冷めていることにご留意ください。
センサのティーチングにおける課題
センサには、目的の設定値を認識できるようにティーチングを行う必要があります。この手順は、近接センサや超音波センサなど、多くの産業用センサで使用されているティーチイン機能と同様です。簡単に言えば、センサには目標状態が提示され、ボタンを押すことで、測定したアナログ値を記憶させます。その時点から、センサは測定温度と目的の設定値を比較し、対象となる状態を継続的に検出します。センサはディスクリート出力をアクティブにし、その出力をPLCが監視します。
ホットグルーは、センサのティーチングにおける課題を浮き彫りにする点で、非常に良い例です。具体的には、温度測定における時間依存性を明らかにしています。接着剤が吐出された瞬間から、その冷却が始まります。センサは、接着剤が吐出されてから数十秒以内にティーチングを行う必要があります。この事実は、Kleinのサーマルイメージャによって明確に確認できます。
距離対スポットサイズ比(D:S)によるセンサの選定
今回ご紹介するBannerのセンサは、狭い視野を持つ距離対スポットサイズ(D:S)比を備えています。その概念を図4に示します。この熱センサを、集光レンズ付きの電球として一時的に考えてみると理解しやすいでしょう。この用途では、光は距離Dの位置で直径Sのスポットを形成すると考えます。今回取り上げているセンサのD:S比は14であり、これにより100mmの距離で7mmのスポットサイズが得られます。同様に、1000mmの距離では視野径が71mm まで広がります。
これは重要な違いです。なぜなら、視野によってセンサの方向感度が決まるからです。狭いビームは非常に指向性が高く、目的のターゲットを検出するためには慎重な位置合わせが必要となります。これにはいくつかの利点があります。
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このセンサは、広い範囲の平均温度を測定するのではなく、対象となる物体の温度を測定します。
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他の条件が同じであれば、D:S比の低いセンサと比較して、センサと対象物の間の距離を長くすることができます。 ホットグルーの例では、機械内により広い空間を確保できるため、一般的にメンテナンスがしやすくなるという点で、これは有利かもしれません。また、距離が離れているため、接着剤がセンサに接触するリスクも低くなります。
図4: 距離とスポットサイズの関係を示す図
おわりに
このホットグルー検出演習は、中級レベルの産業制御技術者やエンジニアにとって有益な実習です。これは、測定の時間依存性を明確に理解させる数少ない実習の1つです。
安定した物体に比べて、温度をティーチングするのははるかに困難です。誘導型近接センサであれば、測定中に金属製の物体が徐々に消えてしまうことを心配する必要はありません。
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著者について
Aaron Dahlen氏、元米国沿岸警備隊(USCG)少佐(LCDR)は、シーフリバーフォールズにあるDigiKeyのシニアアプリケーションエンジニアを務めています。エレクトロニクスおよび産業オートメーションに関する彼の知識と経験は、技術者およびエンジニアとして従事した27年間の軍歴と、その後10年以上にわたる教育経験を通じて培われました。
Dahlen氏は、ミネソタ州立大学マンケート校で電気工学修士号(MSEE)を取得しています。また、ABET認定を受けた電気工学プログラムで教鞭を執ったほか、電子工学技術プログラムのコーディネーターを務め、軍の技術者に対して部品レベルの修理技術を指導してきました。
現在は、ミネソタ州北部の故郷へ戻り、コンデンサ探しから始まった数十年にわたる旅を終えました。彼の物語はこちらからお読みください。



