Microchipのeバイク技術に関するQ&A:eバイクの位置検出システムの電源供給が中断されることはありますか?

Q:eバイク方式では、位置検出システムへの電源供給が中断されることはありますか?

A:eバイク、三輪車、四輪車、乗用車などに関わらず、システム電源の供給が途切れたり、電圧が低下したりする場合はあります。例えば、起動時や急発進などの高負荷電源投入時には、バッテリパックの放電率によっては異常な電源供給が発生することがあります。例えば、電圧が48Vから数ボルトまで低下することがあります。

車両制御ユニット(VCU:Vehicle Control Unit)の制御方法を最適化することで、突発的な高負荷状態を防ぐなど、設計によってこれを回避するようにしています。

電源に異常が発生した場合、設計段階において次の対策が求められます。システム設計におけるFTA/FMEAの実施、ハードウェアレベルでの電圧検出回路の追加、ソフトウェアによるMCU内蔵のBOD(ブラウンアウト検出)低電圧リセット保護機能の有効化によるシステム電圧異常検出の実現などです。これらの対策により、システムは異常状況への対応能力を向上させます。

一般的に電圧異常は避けられません。


電源の遮断や電圧不足はなぜ起こるのでしょうか?

電気自動車の動力源は主にトラクションバッテリ(48V、60V、72Vなど)から供給されます。

次のような極端な負荷のシナリオがあります。

  • 始動時(特にモータが始動する瞬間は電流が非常に大きい)
  • 高負荷のパワーオン(急発進、登坂、急加速など)

バッテリの瞬時放電率が不足すると、バス電圧が急激に低下します。

例:48Vのバッテリが瞬時に数ボルトまで低下することがあり、その場合、(位置決めモジュール用の)低電圧電源が直接遮断されるか、電圧不足になります。

なぜ「避けられない」のか?

eバイクでも、3輪、4輪の電気自動車でも、乗用車でも、電源の瞬間的な電圧異常は起こり得ます。

その理由は、バッテリの内部抵抗と電流の過渡現象にあります。瞬間的に大きな電流が流れると、電圧は急激に低下します。

設計の最適化によって発生確率を下げることはできますが、完全に回避することはほとんど不可能です。

設計対応案

(1) システムレベルの最適化

VCU(車両制御ユニット)の制御戦略:起動時の加速度やモータ電流の立ち上がり速度を制限するなど、瞬間的な高負荷を回避します。

(2) ハードウェアレベルの保護

  • 電圧検出回路:電源電圧をリアルタイムに監視し、電圧低下や停電を判断します。
  • バックアップ電源:位置決めモジュールに小容量のバッテリ/スーパーキャパシタを追加して、短時間の電圧低下の場合、電力供給が中断しないようにすることができます。

(3) ソフトウェアレベルの保護

  • MCU内蔵のBOD(ブラウンアウト検出)低電圧リセット保護:電圧が安全値を下回った場合、リセットまたはセーフモードに移行し、プログラム異常を防止します。
  • 異常処理アルゴリズム:電源障害/低電圧の後に自動的に回復し、システムクラッシュを回避します。

(4) 信頼性設計

FTA/FMEA分析:システムの故障モードと影響解析から始め、電源異常によるリスクを事前に評価し、設計段階で最適化を行います。

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