ユーザープログラムやシステムのパラメータは、フラッシュメモリ(NAND)やより高速なEEPROMメモリ(NOR)などの不揮発性メモリに自動的にバックアップされるのが一般的ですが、多くのPLCは、メンテナンスのためにPLCの電源が切断された場合や停電時の電力維持のために、RAMなどの揮発性メモリにバッテリバックアップを用いています。
読み取り、書き込み、または消去の操作中に電源が遮断されると、実行中の操作が失敗するだけでなく、フラッシュデバイスにすでに存在するデータが破損したり、直後に書き込んだデータや長期間経った後で書き込んだデータの整合性にまで悪影響を及ぼす可能性があるため、デバイスに整合性の問題が生じます。
Understanding the Impact of Power Loss on Flash Memory(電力喪失がフラッシュメモリに与える影響の理解)という資料に、より深く掘り下げた内容が記載されています。
PLCのバックアップバッテリは、電圧が規定値内であることを定期的に確認する必要があります。自己診断ではバッテリ電圧不足の表示が出るはずですが、CPUモジュールの診断LEDが見にくかったり、その診断が診断エラーリストの一番下に表示されたりすることがあります。バッテリ診断が電圧不足を提示したら、1週間以内にそのバッテリを交換するのが一般的です。電圧不足のバッテリを交換する場合、データを確実に保持するために、古いバッテリを取り外してから5分以内に新しいバッテリを装着するのが一般的です。
多くのPLCのバッテリ寿命は、理想的な条件下で通常最大5年ですが、寿命はシステムの年数やモデルによって異なり、次のような場合には大幅に短縮される可能性があります。
- 頻繁な停電や電圧低下
- 長時間の電源遮断
- 25°C(77°F)以上の高い動作温度
一般的なストレージの特徴
フラッシュメモリ:ユーザープログラム、パラメータ(PLC設定等)、設定メモリ量までのデータレジスタ、コメントデータおよびDMエリア全体を初期値としてフラッシュメモリに保存することが可能です。
バッテリバックアップ:保持エリア、DMエリアおよびカウンタ値(フラグ、PV)をバッテリでバックアップします。また、バッテリは停電や電圧低下時にもRAMに電力を供給し、FlashやEEPROMなどの不揮発性メモリからシーケンスを引き出しておくことができます。これはデータ保持のためのバッファとして機能し、特にパラレルではなくシリアルメモリからデータを引き出す場合、データの破損を防ぐのに役立ちます。特にシリアルメモリは、バッテリバックアップのない場合、メモリが読み出し、書き込みあるいは消去中に停電になると、データが壊れやすくなります。バッテリバックアップは、システムイベントやトラッキングの目的でタイムスタンプを保持するために重要であるクロック/カレンダー設定を保持するためにも一般的です。
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